~「あなたは、あなたを認識している?」第2回~

「頭では分かっているんです」

「次は気をつけようと思っているんです」

それなのに、同じ場面になると、また同じ反応をしてしまう。

そんな経験はありませんか?

前回は、私たちには無意識に繰り返している「反応の習慣」がある、というお話をしました。

そして実は、自分の癖に気づいただけでは、すぐに行動が変わるとは限りません。

「分かった」と「変わった」は違う

たとえば、

「私は相手の反応が気になると、説明しすぎるんだ」

と気づいたとします。

気づいたのだから、次は変えられそうですよね。

でも、実際に相手の表情が曇ると、

「ちゃんと分かってもらわなければ」

と、また説明を重ねてしまう。

そして後から、

「またやってしまった」

と思う。

これは、意志が弱いからではありません。

長い間繰り返してきた反応は、それだけ自分にとって“いつものやり方”になっているからです。

変化の前に、自分の反応を知る

変えようと頑張る前に大切なのは、

「私は、どんなときにこの反応をしているのだろう?」

と自分を見ることです。

たとえば、

  • 相手に否定されたと感じると、強く言ってしまう
  • 相手の機嫌が気になると、自分の意見を飲み込む
  • 失敗が怖くなると、任せた相手に口を出してしまう
  • 誤解されたくないと感じると、説明が長くなる

同じ行動でも、その奥にある理由は人によって違います。

だからこそ、

「何を直すか」より先に、「私はなぜそう反応するのか」を知ることが大切です。

自分では見えていない自分がいる

自分のことは、自分が一番よく分かっている。

そう思いたいものです。

でも、無意識の反応ほど、自分では気づきにくいものです。

周りから見ると分かりやすいのに、本人には見えていない。

経営者やリーダーの方とお話ししていても、そうした場面は少なくありません。

「社員に任せたい」と思いながら、実は自分が一番結果をコントロールしようとしていた。

「話を聞いている」と思っていたけれど、答えを言う準備をしながら聞いていた。

自分の反応の特徴が見えてくると、初めて選択肢が増えていきます。

まとめ──変える前に、まず知る

  • 「分かっているのにできない」は、意志の弱さだけが原因ではありません
  • 無意識の反応には、自分なりのパターンがあります
  • 行動を変える前に、自分が「なぜそうするのか」を知ることが大切です

もしかすると、自分が思っている「自分」と、実際に周りに表れている「自分」には、少し違いがあるかもしれません。

あなたは、自分がどんな場面で、どんな反応をしているか知っていますか?

自分では見えにくい反応の特徴を知ることが、変化の入口になります。