~あなたは、あなたを認識している?第3回~

「そんな言い方をするつもりじゃなかったのに」

後になって、そう思ったことはありませんか?

部下の報告を聞いて、つい強い口調になってしまった。

家族の何気ない一言に、必要以上に反応してしまった。

相手に伝えたいだけだったのに、気づけば責めるような言い方になっていた。

そして後から、

「どうして私は、あんなに反応したんだろう」

と思う。

実は、こうしたときに見てほしいのは、表に出た言葉や行動だけではありません。

強い反応の奥には、別の感情がある

たとえば、部下のミスに強く反応したとします。

表面では「怒り」に見えていても、その奥には、

  • また同じことが起きたらどうしよう
  • お客様に迷惑をかけたくない
  • 自分が責任を取らなければならない
  • ちゃんとしてほしい

そんな不安や焦り、期待があるかもしれません。

私たちは、その瞬間に起きた出来事だけに反応しているわけではありません。

その出来事を自分がどう受け取ったのか。

そこから感情が動き、いつもの反応につながっています。

自己認識とは「反応の奥」を知ること

自己認識とは、

「私は怒りっぽい」

「私は心配性だ」

と、自分にラベルを貼ることではありません。

どんな出来事を、どのように受け取り、そこから何を感じ、どんな行動を選びやすいのか。

その自分のパターンを知ることです。

たとえば、

「任せたのに口を出してしまう」

という行動だけを直そうとしても、なかなかうまくいきません。

その奥に、

「失敗されたら困る」

「自分が確認しておかないと不安」

という気持ちがあるなら、まずそこに気づく必要があります。

「なぜ、こんなに反応した?」と問いかけてみる

感情が大きく動いたときは、自分を知るチャンスでもあります。

そんなとき、

「なんで私はこんなことをしたんだろう」

と責める代わりに、

「私は今、何に反応したんだろう?」

と問いかけてみてください。

さらに、

「何が不安だった?」

「何を大切にしたかった?」

「本当は相手に何を伝えたかった?」

と見ていくと、自分では気づいていなかったものが見えてくることがあります。

経営者やリーダーの反応は、周りにも影響する

経営者やリーダーは、自分が思っている以上に周囲へ影響を与えています。

本人は「少し注意しただけ」のつもりでも、相手には「否定された」と伝わっているかもしれません。

だからこそ、相手の行動を見るだけでなく、自分自身がどう反応しているのかを知ることも大切です。

自分の反応が見えてくると、

「いつものように言う」のではなく、

「今回はどう伝えよう?」

と選び直せるようになります。

まとめ──反応には、自分を知るヒントがある

  • 強い反応の奥には、不安や焦り、期待が隠れていることがあります
  • 自己認識とは、自分の感情・受け取り方・反応のパターンを知ることです
  • 「なぜこんな反応をした?」ではなく、「私は何に反応した?」と見てみる
  • 自分のパターンが分かるほど、別の行動を選べるようになります

いつも同じことでイライラする。

同じ場面で不安になる。

同じ相手に、なぜか強く反応してしまう。

そこには、まだ自分では認識していない「自分」がいるのかもしれません。

あなたは、自分の反応の奥にあるものを、どれくらい知っていますか?

自分では当たり前すぎて見えていない反応のパターンを知ることが、関わり方を変える最初の一歩になります。