実際に「再定義をどう実践するか?」

はじめに

「どうして社員はやる気を出してくれないんだろう」
経営者であれば、一度はそう感じたことがあるはずです。

でも本当に“社員にやる気がない”のでしょうか?
実は、そう見えているだけで、社員の本質は「やる気がない人」ではありません。
ここに気づくことこそが、経営を前に進めるための第一歩です。

「やる気がない=ダメ社員」という思い込み

多くの経営者は「やる気がない=ダメ社員」とラベルを貼ってしまいます。
すると、社員を見る目は厳しくなり、言葉も強くなり、結果として社員はますます心を閉ざしてしまう。

これは“再定義”ができていない状態です。

再定義とは「見方を変える」こと

再定義とは、単に言葉を言い換えることではなく、 人や状況に対する見方を変えること です。

例えば:
「やる気がない」➡️「やる気を引き出す環境が整っていない」
「指示を守らない」➡️「指示の意味が十分に伝わっていない」
「動かない」➡️「安心して動ける土台がまだない」

見方を変えるだけで、社員の行動が“問題”から“改善の余地”に変わります。

信じているものを見直す

そして本当に大切なのは、経営者自身が 「自分は何を信じているか?」 を見直すことです。
人が簡単に変われないのは、この“信じているもの”に縛られているから。

例えば──
「社員は放っておくとサボる」
「成果は努力だけで得られる」
「経営者は弱みを見せてはいけない」

こうした“信じているもの”が前提となり、行動や言葉の選び方を制限してしまいます。
だからこそ、再定義は「社員を見る目」だけでなく「自分自身の信じているもの」を見直すことでもあるのです。

再定義がもたらす効果

① 経営者のイライラが減る
「ダメ社員」と決めつける必要がなくなるため、感情が安定する。

② 社員との関係が和らぐ
社員も「理解してもらえた」と感じ、安心して本音を出せるようになる。

③ 成果につながるアプローチが見える
「どうすればやる気を引き出せるか?」と問いが変わることで、具体的な行動策が出てくる。

まとめ

社員が「やる気がない」と見えるとき、実際には「やる気を引き出す環境」や「伝え方」に課題があることがほとんどです。
経営者が見方を再定義するだけで、社員は自然に変化を見せ始めます。

👉 次回は「考え方は簡単に変わらない。

だから“ベースを整える”ことが先」をテーマに、再定義を実践に活かすための土台づくりについてご紹介します。