はじめに
「社員の見方を変えよう」「考え方を切り替えよう」
──そう決意しても、翌日には元の習慣に戻ってしまう…。
経営者であれば、一度はそんな経験があるのではないでしょうか。
人の考え方や思い込みは、そう簡単には変わりません。
だからこそ 再定義の前に“ベースを整える”ことが欠かせない のです。
① なぜ考え方は簡単に変わらないのか
婚礼司会をしていた頃、現場では想定外が日常茶飯事でした。
「花束がない」「手紙が見当たらない」「親御様が席にいない」…。
そんなときに心が乱れると、表情がこわばり、会場全体の空気は一瞬で冷えます。
ヒトの嗜好は連鎖しやすく、リーダーが不安になると、その不安は周り全員に波及してしまうのです。
これは経営現場でも同じ。経営者の不安や苛立ちは、瞬く間に社員に伝わり、マイナスのスパイラルを生みます。
② ベースを整えるとは何か
だからこそ必要なのが ベースを整えること。
しかし実際は簡単ではありません。人は刺激に反応し続ける生き物であり、放っておけば感情に振り回されます。
ベースを整えるとは、経営者自身の“心のOS”をアップデートすること。
具体的には:
焦りや苛立ちを落ち着かせる 🧘♀️
“変えられないものを変えようとする”クセを手放す 🤲
自分を信じる力(自己信頼)を育てる 💪
これができると、マイナスの連鎖に巻き込まれず、プラスの連鎖を生み出せるようになります。
③ ベースが整うと何が変わるか
ベースが整うと、不測の事態を「想定外」として拒絶するのではなく、素直に受け入れて処理する力が身につきます。
すると、不測の事態に振り回されず、瞬間瞬間で最善の道を選ぶクセがつきます。
そして大事なのは──もちろん「フリ」や「つもり」ではなく 本心から整っていること。
リーダーの心は一見見えないようで、実は会社全体に確実に伝わるものです。
私自身、現場で本当に心が整ったとき、声のトーンは自然に安定し、スタッフも安心して動き始めました。
経営者が本心から落ち着きを取り戻せば、社員はそれを感じ取り、安心と主体性をもって動くのです。
まとめ
考え方は一瞬では変わりません。
だからこそ「再定義の前にベースを整える」ことが重要です。
感情は連鎖する
ベースが乱れれば不安は全体に広がる
ベースが整えば最善を選ぶクセがつき、自然に成果につながる
この土台があるからこそ、意向➡️再定義➡️再設定の3ステップが機能し、組織はスムーズに動き出します。
👉 次回は、ベースを整えるための具体的な方法──「心のクセを手放す」実践ステップをご紹介します
「考え方は簡単に変わらない。だから“ベースを整える”ことが先」