「ちゃんと伝えたはずなのに、なぜ動いていないのか」
「本人は分かっていると思っていた」
経営や育成の現場で、こんなすれ違いは日常的に起きています。
多くの場合、その原因は「説明不足」や「理解力の差」だと考えられがちです。
けれど実際には、
言い方と受け取り方のズレが起きているだけ、というケースがほとんどです。
人は、言葉をそのまま受け取っているようで、
実は必ず自分のOS(前提・経験・価値観)を通して解釈しています。
発信する側は、
「このくらい言えば伝わるだろう」
「これまでの流れで分かるはず」
という前提で話します。
一方、受け取る側は、
「自分の役割として何を求められているのか」
「失敗したらどうなるのか」
といった別の基準で言葉を受け止めています。
ここで起きているのは、
意欲の差でも、誠実さの差でもありません。
OSの違いによる『翻訳のズレ』です。
たとえば「任せる」という言葉ひとつでも、
ある人にとっては
「自由に判断していい」という意味であり、
別の人にとっては
「責任だけを押し付けられた」と感じることもあります。
このズレに気づかないまま進むと、
「なぜやらないのか」
「なぜ分かってくれないのか」
と感情の行き違いが生まれていきます。
だからこそ大切なのは、
どう言ったかではなく、どう受け取られたかを見ること。
「今の言葉、どういう意味で受け取りましたか?」
この一言があるだけで、
ズレは修正できる段階で止まります。
言い方を磨く前に、
受け取り方に目を向ける。
それは、相手をコントロールするためではなく、
対話を成立させるための姿勢です。
分かり合えなさは、失敗ではありません。
ズレに気づけたとき、
コミュニケーションは一段深まります。
まとめ
- 言った内容と、受け取られた内容は一致しないことが多い
- ズレの正体は、OSを通した解釈の違い
- 大切なのは「どう言ったか」より「どう受け取られたか」
✨対話とは、正しく話すことではなく、噛み合うまで確かめ続けることです。