Season 2

伝わる力は、己を知り、整える。

~伝わる人が実践しているコミュニケーションの習慣~

「あの人が変わってくれたら、もっと楽なのに。」

人間関係で、一度はそんなことを思った経験があるのではないでしょうか。

私もこれまで多くの方のお話を伺う中で、「相手を変えたい」という声をたくさん耳にしてきました。

もちろん、その気持ちは自然なことです。

でも、不思議なことがあります。

相手を変えようとすればするほど、関係はうまくいかなくなることが少なくありません。

なぜでしょうか。

それは、相手に意識が向いているときほど、自分自身が見えなくなってしまうからです。

相手の言葉や態度ばかりを見ていると、

「どうしてそんな言い方をするの?」

「どうしてわかってくれないの?」

という思いが強くなります。

しかし、そのとき自分は何を感じ、何を求めていたのでしょうか。

本当は認めてほしかったのかもしれません。

理解してほしかったのかもしれません。

安心したかったのかもしれません。

相手を見ることは大切です。

でも、それと同じくらい大切なのが、自分を観ることです。

「私は今、何に反応したのだろう。」

「なぜ、この言葉が気になったのだろう。」

そんな問いを自分に向けるだけで、見えてくるものがあります。

自分を観ることは、自分を責めることではありません。

自分の心の動きを知ることです。

すると、不思議なことに、相手を責める気持ちが少しずつ減り、対話する余裕が生まれてきます。

コミュニケーションは、相手を変えるためのものではありません。

まず、自分を観ること。

そこから、人との関わり方は静かに変わり始めます。

次回は、「質問が変わると、対話が変わる」をテーマに、コミュニケーションを変える問いかけについてお話しします。