結果とプロセス④

「ちゃんと伝えたのに、分かってくれない」

「お願いしたのに、なぜ動いてくれないんだろう」

「何度言っても、同じことを繰り返す」

仕事でも日常でも、こんなことはありませんか。

こちらとしては、ちゃんと伝えた。

だから、

伝えた → 分かる → 動く

と考えてしまいがちです。

でも、コミュニケーションは、そんなに一直線ではありません。

「伝えた」と「動く」の間にはプロセスがある

たとえば、何かをお願いしたとします。

こちらは、

「伝えたんだから、やってくれるだろう」

と思っている。

でも相手の中では、

受け取る
↓
意味を理解する
↓
自分に何を求められているのか理解する
↓
納得する
↓
どうするか判断する
↓
行動する

というプロセスがあります。

つまり、

「伝えた」と「相手が動く」の間には、いくつもの段階がある

ということです。

どこか一つで止まれば、こちらが求める結果にはつながりません。

結果だけを見ると「相手の問題」に見えてしまう

ところが、

「やってくれなかった」

という結果だけを見ると、

「ちゃんと言ったのに」
「なぜ分からないの?」
「何度言えば分かるの?」

と、相手の問題に見えやすくなります。

もちろん、本当に相手側に問題がある場合もあります。

でも、その前に一度見てみたいのが、

どのプロセスで止まっていたのか

ということです。

そもそも、きちんと聞いてもらえる状態だったのか。

こちらの意図は伝わっていたのか。

相手は言葉の意味を理解していたのか。

何をすればいいのか具体的に分かっていたのか。

相手の認識とこちらの認識にズレはなかったのか。

ここを見ないまま、

「もっと強く言おう」
「もう一度同じ説明をしよう」

としても、同じところですれ違う可能性があります。

「分かってほしい」だけでは、相手には分からない

これは、仕事だけではありません。

「察してほしい」
「普通は分かるでしょう」
「これくらい言わなくても分かるよね」

と思うこともあります。

でも、自分の中にある意図や前提は、そのまま相手から見えるわけではありません。

自分にとっての「当たり前」と、相手にとっての「当たり前」も違います。

だからコミュニケーションでは、

自分が何を伝えたかだけではなく、相手がどう受け取ったかまで見る必要があります。

相手の表情を見る。

反応を聞く。

必要なら質問する。

認識が合っているか確認する。

ズレていれば、もう一度すり合わせる。

ここまで含めて、コミュニケーションのプロセスです。

相手を動かす前に、プロセスを見る

「分かってほしい」
「動いてほしい」
「変わってほしい」

これらはすべて、こちらが求めている「結果」です。

でも、相手を直接コントロールすることはできません。

自分が変えられるのは、

何を伝えるか。
どう伝えるか。
相手をどう見るか。
どう確認するか。
どうすり合わせるか。

という、自分の関わり方です。

求める結果にならないときほど、

「なぜ分かってくれないの?」

と相手を見る前に、

「どのプロセスですれ違ったのだろう?」

と一度考えてみる。

すると、

「もっと言わなければ」

ではなく、

「ここが伝わっていなかったのかもしれない」
「確認していなかった」
「そもそも前提が違っていた」

と、次にできることが見えてきます。

コミュニケーションも、結果だけを見ていては整いません。

伝えることはゴールではなく、相手に届くまでのプロセスの一部。

そのプロセスを見ることが、「伝えたつもり」から「伝わる」へ変えていく第一歩なのだと思います。

次回は、

「うまくいかない原因を『能力』にしない」

について考えてみたいと思います。