~人がつながると、組織は動き出す~
シリーズ
~人がつながると、組織は動き出す~
「話していることは、分かっています」
「大切なのも理解しています」
「やったほうがいいことも分かっています」
でも、行動は変わらない。
組織の中では、こんなことがよくあります。
経営者が会社の理念や方針を何度も伝えている。
研修をして、社員も「なるほど」と納得している。
会議では「やっていきましょう」と決まった。
それなのに、しばらくすると元に戻っている。
そんなとき、
「せっかく伝えたのに」
「分かっているなら、やればいいのに」
と思ってしまうかもしれません。
でも私は、ここにも「つながり」の問題があると思っています。
「分かること」と「できること」は、同じではないからです。
「分かった」で終わると、現実は変わらない──
研修や講座をしていると、
「すごくよく分かりました」
「気づきがありました」
と言っていただくことがあります。
もちろん、気づくことはとても大切です。
知らなかったことを知る。
自分の思い込みに気づく。
今までとは違う見方ができるようになる。
そこから変化は始まります。
でも、気づいただけでは現実は変わりません。
「分かった」
その次に、
「では、何をする?」
が必要です。
そして、実際にやってみる。
うまくいかなければ修正する。
もう一度やってみる。
その積み重ねによって初めて、気づきが現実の変化につながっていきます。
理念が「言葉」のままになっていないか──
これは会社の理念や方針も同じです。
たとえば、
「お客様を大切にしよう」
「挑戦できる組織にしよう」
「主体性を持って行動しよう」
どれも、とても大切な言葉です。
でも社員からすると、
「では、今日の仕事で私は何をすればいいの?」
が分からないことがあります。
「お客様を大切にする」とは、具体的にどんな行動なのか。
「挑戦する」とは、何をしてよくて、どこから相談が必要なのか。
「主体的に」と言いながら、失敗したら責められることはないのか。
理念と日々の行動の間に橋がなければ、どれだけ素晴らしい言葉を掲げても、現場には定着しません。
意図と行動が、つながっていないのです。
人が変わるには「つながる段階」がある──
私は、人や組織の変化には段階があると考えています。
気づく
↓
理解する
↓
やってみる
↓
繰り返す
↓
結果を見る
↓
修正する
↓
また実践する
この流れがつながって、少しずつ変化が定着していきます。
ところが私たちは、つい途中を飛ばしてしまいます。
「研修をしたから変わるはず」
「説明したからできるはず」
「本人も納得していたから大丈夫」
でも、人はそんなに簡単には変わりません。
頭で理解したことを行動に移し、それを続けるには時間が必要です。
だからこそ、リーダーには「伝えた後」の関わりが大切になります。
「できた?」ではなく「やってみて、どうだった?」──
行動を促そうとすると、
「ちゃんとやった?」
「できた?」
と確認したくなります。
もちろん、進捗確認が必要な場面もあります。
でも、それだけでは「できた・できなかった」の評価になってしまいます。
そこで、
「やってみて、どうだった?」
と聞いてみる。
「何がうまくいった?」
「どこで難しいと感じた?」
「次は何を変えてみようか?」
結果を一緒に見ながら、次の行動へつなげていく。
これもまた、大切なコミュニケーションです。
コミュニケーションは、人と人をつなぐだけではありません。
気づきと行動、行動と結果、そして結果と次の行動をつなぐものでもあるのです。
リーダーは「変えよう」とする人ではなく──
社員に成長してほしい。
組織をもっと良くしたい。
経営者やリーダーであれば、当然そう願うと思います。
だからこそ、早く変わってほしくなる。
一度伝えたら、できるようになってほしい。
でも、本当の変化はそんなに一直線には進みません。
やってみる。
うまくいかない。
考える。
修正する。
またやってみる。
その繰り返しです。
リーダーの役割は、人を無理に変えることではなく、その人の気づきが行動につながり、行動が結果につながっていく過程を支えることなのではないでしょうか。
「分かった」を「変わった」へつなげる──
人がつながると、組織は動き出す。
この「つながる」は、人間関係だけの話ではありません。
会社の思いと、一人ひとりの理解。
理解と行動。
行動と結果。
そして、結果から得た気づきと次の行動。
そこまでつながって初めて、組織の変化は少しずつ現実のものになっていきます。
- 「分かった」と「できる」は違う
- 気づきだけでは、現実は変わらない
- 理念や方針を日々の具体的な行動につなげる
- 行動した結果を振り返り、次の行動につなげる
- リーダーは、そのつながりが続くように支えていく
✨ 人が変わるのは、「分かった瞬間」ではありません。
気づきを行動へ、行動を結果へ、そして次の一歩へ。
そのつながりを繰り返した先に、本当の変化が生まれるのだと思います。