Season 1
~言葉より先にある「心のOS」の話~ ≪伝わる力は、己を知り、整えることから≫
ここまで5回にわたり、「伝わらない理由」についてお話ししてきました。
伝え方だけでは解決しないこと。
自分が欲しいものを相手に渡してしまうこと。
自分では気づいていない前提があること。
そして、その前提が見えなくなると、頑固になり、争いへとつながってしまうこと。
こうして振り返ると、コミュニケーションの本質は、話し方の上手・下手だけではないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。
私は、コミュニケーションは目的ではなく、問題解決のためのツールだと考えています。
相手を言い負かすためでも、自分の正しさを証明するためでもありません。
お互いの考えや違いを理解し、より良い答えを見つけるためにあるものです。
しかし、そのためには、相手を変えようとする前に、自分自身を見つめることが欠かせません。
自分はどんな前提で物事を見ているのか。
何を大切にしているのか。
本当は何を求めているのか。
それらに気づくことで、初めて相手との違いを受け止める余裕が生まれます。
すると、コミュニケーションは「伝える技術」から、「関係を育て、問題を解決する力」へと変わっていきます。
もちろん、人はすぐに変わるものではありません。
長年積み重ねてきた考え方や反応の癖は、一度気づいただけでなくなるわけではないからです。
だからこそ大切なのは、自分を責めることではなく、少しずつ己を知り、整えていくことです。
その積み重ねが、仕事での信頼関係を育て、家族との関係を深め、人間関係をより良い方向へ導いてくれます。
このシリーズのタイトルは、
「伝わる力は、己を知り、整えることから。」
でした。
伝わる力とは、話し方のテクニックではありません。
己を知り、己を整え、相手との違いを理解しようとする姿勢の中で育まれていくものです。
もし、このシリーズを通して、ご自身のコミュニケーションを少し見つめ直すきっかけになったなら、とても嬉しく思います。
Season2では、今回お伝えした考え方をもとに、「己を知り、整えるための実践」についてお届けしていきます。