『伝わらないの正体を解き明かすシリーズ』⑦
~5つの層から読み解くコミュニケーション~
これまで6回にわたり、
『伝わらないの正体を解き明かすシリーズ』
をお届けしてきました。
「なぜ伝わらないのか」
その答えを探しながら、
認識、見えている範囲、選択、ズレ、理想と現実、そして不安についてお伝えしてきました。
実は、これらはすべてバラバラの話ではありません。
一つの構造としてつながっています。
私はこれを、
「伝え方OS」
と呼んでいます。
私たちはコミュニケーションの問題が起きると、つい言葉や話し方に意識を向けます。
もっと上手に伝えればいい。
もっと分かりやすく説明すればいい。
もちろんそれも大切です。
しかし実際には、伝わらない原因の多くは言葉の奥にあります。
だからこそ私は、コミュニケーションを5つの層で見ることが大切だと考えています。
第1層 認識
私たちは事実そのものではなく、自分の認識を通して世界を見ています。
同じ出来事でも、人によって受け取り方が違うのはそのためです。
第2層 見えている範囲
人は自分に見えている世界の中で判断しています。
経営者と社員では見えている景色が違います。
だから判断が違うのも自然なことです。
第3層 選択
出来事は選べなくても、その受け止め方や行動は選ぶことができます。
選択権を自分に取り戻したとき、人は主体的に動き始めます。
第4層 ズレ
認識も見えている範囲も違う。
だから人との間にズレが生まれます。
ズレは悪いものではなく、お互いを理解するための入り口です。
第5層 理想と不安
「こうあるべき」という理想。
そして「失敗してほしくない」という不安。
実は私たちの言動には、この見えない感情が大きく影響しています。
相手を変えようとする前に、自分の理想や不安に気づくことが大切なのです。
こうして見てみると、
コミュニケーションの問題は、話し方の問題だけではないことが分かります。
相手を理解すること。
自分を理解すること。
その両方があって初めて、本当の対話が始まります。
経営者として、リーダーとして、
私たちはつい正しい答えを探そうとします。
しかし本当に大切なのは、
「なぜその人はそう考えるのだろう」
と関心を持つことかもしれません。
伝え方OSとは、相手を変えるための技術ではありません。
人と人との違いを理解し、より良い関係性を築くための土台です。
伝わらないことを責めるのではなく、
伝わらない理由を理解する。
その視点が、組織も人間関係も変えていくのだと思います。
7回にわたりお読みいただき、ありがとうございました。
このシリーズが、皆さまのコミュニケーションを見つめ直すきっかけになれば幸いです。
まとめ
- コミュニケーションは言葉だけで成り立っているわけではない
- 人は認識や見えている範囲を通して世界を見ている
- ズレは違いがあるからこそ生まれる
- 理想や不安が関わり方に影響を与えている
- 相手を理解することと自分を理解することの両方が大切
✨伝わらないことには理由があります。その理由を知ることが、より良い関係性への第一歩なのです。