Season 1
~言葉より先にある「心のOS」の話~ ≪伝わる力は、己を知り、整えることから≫
「どうして、わかってくれないんだろう。」
仕事でも家庭でも、そんなふうに感じたことはありませんか?
実は、人は無意識のうちに自分が欲しいものを相手にも渡してしまうことがあります。
例えば、自分が励ましてほしい人は、相手も励ませば喜ぶと思います。
答えが欲しい人は、すぐにアドバイスをします。
話を聞いてほしい人は、相手の話も一生懸命聞こうとします。
もちろん、それ自体は悪いことではありません。
ただ、一つ問題があります。
相手が欲しいものとは限らないということです。
例えば、社員は「まず話を聞いてほしい」と思っているのに、社長は一生懸命アドバイスをしている。
パートナーは共感してほしいのに、すぐに解決策を提案してしまう。
子どもは認めてほしいのに、「もっと頑張れ」と励ましてしまう。
どちらも良かれと思ってやっていることです。
しかし、相手に届かなければ、「わかってもらえない」というすれ違いが生まれてしまいます。
すると、人はさらに「もっと伝えなければ」と同じやり方を繰り返します。
その結果、関係が良くなるどころか、ますます距離ができてしまうことも少なくありません。
コミュニケーションで本当に大切なのは、「自分は何を伝えたいか」だけではありません。
相手は今、何を求めているのか。
その視点を持つことで、会話は大きく変わります。
では、なぜ私たちは自分の欲しいものを相手に渡してしまうのでしょうか。
その理由は、自分では当たり前すぎて気づいていない「見方」や「考え方」が影響していることがあるからです。
次回は、その正体ともいえる「前提」についてお話しします。