①自己信頼とは
――励まされるのではなく、自分で立ち上がる力――
「自分を信じる」って、よく耳にする言葉ですよね。
でも実際には、この自己信頼こそが一番難しい。
誰かから「大丈夫だよ」「あなたならできる」と言われると、一瞬は力が湧いてきます。
けれど不思議なことに、その言葉は時間が経つと薄れ、また元の不安に戻ってしまう…。そんな経験はありませんか?
残念ながら、他人の思いやりや励ましだけでは、あなた自身の“自己信頼”は育ちません。
なぜなら、自己信頼とは「自分で立ち上がる力」だからです。
②自己信頼を阻む“わな”
自己信頼がうまく育たない背景には、
私たちの心が陥りやすい“わな”があります。代表的なのは次の3つです。
① 執着心
過去の失敗や、人から言われた言葉に執着してしまうと、未来へ進む力を奪われます。
「前も失敗したから、またダメなんじゃないか」と思考がループし、挑戦する気持ちを萎えさせるのです。
② コントロール欲求
「こうあってほしい」「自分の思い通りにしたい」という気持ちは誰にでもあります。
しかし他人や状況は、自分の思う通りにはなりません。
思惑が外れた瞬間に「やっぱり自分には力がない」と自己否定へとつながり、信頼を削ってしまいます。
③ 善悪のジャッジ
物事を「正しい」「間違い」と白黒で判断しすぎると、自分に厳しくなりすぎます。
少しのミスでも「自分はダメだ」と決めつけ、柔軟に自分を認めることができなくなるのです。
これら3つが複雑に絡み合うと、まるで出口の見えない迷宮に迷い込んだように、
自己信頼を回復できなくなってしまいます。
③自己信頼を育てるシンプルな方法
自己信頼は、誰かに与えてもらうものではなく、自分の中で育てるものです。
では、どうすれば迷宮から抜け出し、自己信頼を取り戻せるのでしょうか。ポイントはとてもシンプルです。
1.小さな行動を積み重ねる
大きな挑戦よりも、日常の小さな行動で「できた!」を積み上げることが大切です。
たとえば「今日は5分だけ早起きできた」「メールを1通すぐに返信できた」など、
小さな実績の積み重ねが自己信頼の種になります。
2.自分の感情に気づき、認める
不安や怒り、嫉妬など“ネガティブ”とされる感情も、否定せず「今、私はこう感じている」と認めること。
感情を排除しようとすると逆に強くなるため、まずは受け入れることが自己信頼の第一歩です。
3.完璧を求めず、進捗を評価する
完璧でなくてもいい。「今日は昨日より少しだけ進んだ」と思えることが重要です。
進み続ける自分を認められた時、初めて“自分で立ち上がれる力”が養われます。
④婚礼現場で学んだ「自己信頼」
私は20年間、婚礼司会の現場に立ってきました。そこは“想定外”の連続です。
「花束が届かない」「ご両親が席にいない」「手紙が急になくなった」…そんな事態がしょっちゅう起きます。
もしその瞬間に「自分はダメだ」と信頼を失ってしまえば、会場全体の空気が凍りつきます。
けれど「必ず乗り切れる、自分を信じよう」と立ち上がった時、不思議と知恵やアイデアが湧き出てきて、
状況を整えることができました。
その積み重ねが「私ならできる」という確固たる自己信頼になったのです。
⑤自己信頼は「与えられる」ものではない
多くの人が「もっと褒められたい」「もっと認めてもらいたい」と外に答えを求めます。
もちろん、それで元気が出ることもあります。
でも本当の意味で自分を信じられるようになるのは
「他人に与えられる瞬間」ではなく、「自分で自分を認めた瞬間」です。
つまり自己信頼は、外から与えられるものではなく、内から育てるもの。
そしてそのためには、日々の小さな積み重ねと、自分の感情に正直であることが欠かせません
⑥まとめ
自己信頼の“わな”とは、
過去への執着
コントロール欲
善悪のジャッジ
これらに囚われ、自分を見失ってしまうこと。
けれど抜け出す方法はシンプルです。
小さな成功を重ね、感情を認め、完璧を求めすぎず、自分を進捗で評価する。
最後にあなたに問いかけます。
「今日、あなたが自分に許せる“小さな一歩”は何ですか?」