『伝わらないの正体を解き明かすシリーズ』①
~5つの層から読み解くコミュニケーション~
あなたは、こんな経験はありませんか?
同じ会議に参加していたのに、人によって感想がまったく違う。
同じ出来事を見ていたはずなのに、受け取り方が違う。
「そんなつもりじゃなかったのに」
「私はそう聞こえました」
職場でも家庭でも、こうしたすれ違いは日常的に起きています。
私たちは普段、自分が見ているものを「事実」だと思っています。
しかし実際には、事実そのものを見ているわけではありません。
自分の経験や価値観、思い込みというフィルターを通して世界を見ています。
例えば、社員が会議で発言しなかったとします。
ある経営者は、
「やる気がないのではないか」
と感じるかもしれません。
一方で別の経営者は、
「まだ自信がないのかもしれない」
と考えるかもしれません。
起きた事実は同じです。
会議で発言しなかった。
それだけです。
しかし、その事実に意味を与えているのは私たち自身です。
つまり、私たちは事実に反応しているのではなく、自分の認識に反応しているのです。
組織の中で起こる多くの問題も、実はここに原因があります。
「なぜ分かってくれないのだろう」
と思ったとき、
相手もまた、
「なぜ分かってくれないのだろう」
と思っていることがあります。
どちらが正しい、間違っているという話ではありません。
見えている世界が違うのです。
私はこれまで多くの経営者やリーダーと関わってきましたが、成長し続ける方ほど、
「自分の見方が絶対ではない」
という視点を持っています。
だからこそ相手の話を聴き、
「その人には何が見えているのだろう」
と考えることができます。
コミュニケーションの第一歩は、上手に話すことではありません。
自分の認識と相手の認識が違うかもしれないと知ることです。
そこから本当の対話が始まります。
私たちは事実を見ているようでいて、実は認識を見ています。
そして、その認識が人との関わり方や組織の在り方にも大きな影響を与えています。
次回は、
「人は見えている範囲の中で判断している」
についてお伝えします。
なぜ同じ状況でも見えるものが違うのか。
その背景を一緒に考えていきましょう。
まとめ
- 私たちは事実そのものではなく認識を通して世界を見ている
- 同じ出来事でも人によって受け取り方は異なる
- コミュニケーションのズレは認識の違いから生まれる
- 相手を理解する第一歩は、自分とは違う見方があると知ること
✨世界は一つでも、見えている世界は人の数だけあるのかもしれません。