「人のために」と動いているのに、
なぜか相手とうまく噛み合わない。
支援や育成の現場で、そんな場面を見かけることがあります。

その多くは、「相手を見ていない」というよりも、
「相手をどう受け取っているか」に意識が向いていないだけ。
つまり、“見る回路”がまだ育っていない状態なのです。


「自分が人をどう扱っているか」に気づくことから始まる

支援者やリーダーほど、
「相手のために」「良かれと思って」と関わります。
でも、そこに“自分の正しさ”が混ざると、
いつの間にか「相手のため」が「自分の安心のため」になってしまう。

私自身、かつてはそうでした。
「支援しているつもり」でも、
実は相手を自分のペースに合わせさせようとしていた。
そのことに気づいたとき、
初めて本当の意味で“相手を見ていなかった自分”を知りました。

気づけるかどうか。
それが支援者としての成長の分かれ道なのだと思います。


見る力とは、「相手を通して自分を見る力」

相手の反応や沈黙の奥にある思いを感じ取るには、
まず自分の心を整える必要があります。
焦らず、押しつけず、
「この人はいま、何を感じているだろう」と想像すること。

見る力とは、相手を“操作”するためのものではなく、
相手を通して“自分を知る力”でもあります。
そこに気づいたとき、関わり方がやわらかく変わります。


支援者自身も、見てもらう側であることを忘れずに

支援する立場にいると、つい「与える側」に立ってしまいがちです。
でも本当は、支援者自身も誰かに見てもらう存在。
安心して本音を話せる仲間や、
自分の関わり方を映してくれる鏡のような人がいることで、
支援の質も深まっていきます。


まとめ

  • 支援者こそ、「自分が人をどう扱っているか」に気づくことが出発点
  • “見る力”とは、相手を通して自分を知る力
  • 他者を支える人ほど、自分も見守られる場が必要

✨人を支えるとは、相手を変えることではなく、
“共に成長していく関係を育てること”なのです。