「自分を認められない」──それは性格ではなく“思考のOS”のズレ
「どうして私は自分に厳しいんだろう」
「褒められても、素直に受け取れない」
そんな声を、研修や面談の中でよく耳にします。
でも実はそれ、性格の問題ではありません。
自己承認ができない原因は、“思考のOS”の設定がズレているだけなのです。
自分の価値を「できたかどうか」で判断していませんか?
多くの人は無意識のうちに、
「できた」「褒められた」「結果が出た」──この3つを基準に
自分の価値を測っています。
これは、学校教育や社会生活の中で刷り込まれてきた評価軸。
しかし、この“他者評価ベースのOS”では、
努力しても、結果が出ても、満たされない感覚が残ります。
なぜなら、自分の価値を“外側”に委ねているからです。
本来のOSは「意図して動いた自分」を認める構造
人間の本来の自己承認システムは、
「結果」ではなく「意図」に反応するようにできています。
つまり、
- 行動する“前”に何を思ったのか
- どんな意図でその選択をしたのか
そこに意識を戻すことで、自己否定は自然に減り、
思考も感情も穏やかに整っていきます。
これは「できなかった自分」を責める代わりに、
「動こうとした自分」を認める思考の使い方。
小さな意図を拾うほど、自己承認のOSは整いはじめます。
Reflect → Rebuild──内側へ戻る再起動プロセス
この“意図への意識”を取り戻すためのステップは、
私が大切にしている Reflect(内省)→ Rebuild(再構築) の流れと一致しています。
- Reflect(内省)
「私は何を意図してこの行動をしたのか?」を振り返る。 - Rebuild(再構築)
“できた・できない”の評価軸から離れ、
“意図して動いた”ことを認めるOSに書き換える。
この思考の再起動は、結果ではなく「自分の内側」に焦点を戻す訓練です。
経営者・リーダーへのメッセージ──「結果評価」から「意図承認」へ
人材育成の現場では、社員に「結果を出すこと」を求めがちです。
もちろん、ビジネスにおいて結果は大切。
ですが、人が成長するのは“意図”を認められたときです。
経営者やリーダーが「意図を見てくれている」と感じた瞬間、
人は主体的に動き出します。
「できたかどうか」ではなく、
「どんな意図で取り組んだのか」を見つめる関わり方が、
チーム全体の思考OSを整えていきます。
まとめ
- 自己承認できないのは「性格」ではなく「思考OSのズレ」
- “できた自分”ではなく、“意図して動いた自分”を認める構造
- Reflect(内省)→ Rebuild(再構築)で内側に戻す
- 経営現場では「意図を認める文化」が人の成長を加速させる
✨自己承認とは、“結果を追うこと”ではなく、“意図を見つめ直すこと”から始まります。