経営の現場でよくある光景。
「社員が研修で感動していたのに、数週間後には元通り」
「やる気になったはずが、実際の行動が続かない」
経営者として、こんな経験はありませんか?
前回までの記事では、固定概念や観念が壁になり、人の脳のクセが変化を拒むことをお伝えしました。
今回は、その壁を越えるための3段階「気づき→実行→実践し続ける」について解説します。
1. 気づき(Awareness)
人が変わる第一歩は「気づき」です。
「あ、今までのやり方では限界がある」と自覚した瞬間、変化の芽が生まれます。
しかし残念ながら、ここで止まる人が大半です。気づいただけで「分かったつもり」になってしまうからです。
2. 実行(Execution)
次のステップは「実際にやってみる」こと。
例えば、社員に対して「命令型」から「問いかけ型」に変えてみる。
この一歩は勇気が要りますが、ここで初めて“行動の変化”が起きます。
ただし、実行も一度きりでは意味がありません。多くの人は「やってみたけど上手くいかない」「面倒だからやめた」とすぐに元に戻ります。
3. 実践し続ける(Practice until Results)
変化が定着するのは「結果が出るまで続けたとき」です。
1回や2回では成果が見えません。むしろ最初はぎこちなく、抵抗や不安が大きいもの。
ここで大切なのは、“結果が出るまでやり抜く”という実践です。
- 小さな成功体験を積み重ねる
- フィードバックを受けながら修正する
- アクションを定例化し、習慣化する
これによって初めて「変わった」と言える状態になります。
経営者の役割
社員や組織が変わらない最大の理由は、「気づき止まり」や「実行止まり」で終わってしまうこと。
経営者に求められるのは、社員が「実践し続ける」仕組みをつくることです。
- 継続できる環境を整える
- 途中の失敗や迷いを受け止める
- 成果が出るまで伴走する
これがある組織は、必ず変化が定着します。
まとめ
- 人は気づきだけでは変われない
- 実行しても、続けなければすぐに元に戻る
- 真の変化は「実践し続け、成果が出るまでやり抜く」ことから生まれる
- 経営者の役割は「継続を支える仕組み」を整えること
✨変化とは“瞬間”ではなく“積み重ね”です。
経営者自身が「結果が出るまでやり抜く姿勢」を示し、社員が続けられる環境をつくることで、組織全体が本当に変わり始めるのです。
「社員に変化を求めるなら、まず社長自身が変化を体験すること。
社長が変わると、社員の変化は“努力”ではなく“自然な連鎖”として広がっていきます。
結果的に、社長が一番ラクになるのです。」