「人は思い通りにならない」──頭ではわかっていても、心の奥ではどうしても相手をコントロールしたくなる。
実は私自身も、かつてはその欲求に振り回され、苦しんできました。


20年の司会業が教えてくれたこと

私は20年以上、婚礼の司会を務めてきました。
華やかに見える世界ですが、現実はとても厳しく、正直なところ普通のOLの半分以下の収入の月もありました。

努力しても結果が出ない。
コントロールしようとすればするほど、逆に状況は悪化しました。

オーナーからは冷たく扱われる
会場プランナーからは総すかん
お客様からはクレーム

まさに四面楚歌。
司会者として生き残るためには、「自分のやり方」を変えるしかなかったのです。

自分のこだわりを一度手放す

当時の私は、マネージャーから注意されても「そんなこと私はしてない!」と反発するばかりでした。
思い通りにいかないとき、人は強く言い返したくなる。
でも、それでは長く続きません。

パワハラのような関わり方は労働基準法に触れることもあり、普通の組織では到底通用しないのです。

そこで私は初めて、「自分のコントロール欲求を手放す」決断をしました。
つまり、自分の正しさを押しつけるのではなく、相手に合わせ、相手の意図を汲み取る。
そして必死に繰り返しました。相手との意見が一致するよう、自分の心と考えを何度も何度もも整理し、まとめ直す。
それは“自分を捨てる”という覚悟でもありました。


ガマンではなく「自分の使い方」を変える

もちろん、私は持ち前のガマン強さで踏ん張りました。
けれど、本当に大事だったのは「我慢すること」ではなく、「自分の使い方を変えること」だったのです。
その視点を持てたことで、ようやく司会者として“満足のいく仕事”を提供できるようになりました。


経営者の皆さんへ伝えたいこと

この経験から強く思うのは、もっと早く自分の使い方をマスターできていたら、どれだけラクだったかということ。

経営者の皆さんは、時間もお金も責任も命懸けで日々の判断をされています。
だからこそ、社員を思い通りに動かそうとするのではなく、まず社長ご自身が「自分のOSをどう使うか」を磨くことが、最も大きな成果を生みます。

私が長年かけて体得したことを、皆さんにはもっと短期間で手にしていただきたい。
それが、私が経営者の方々に役立ちたいと強く願う理由です。

✨私がコントロール欲求を手放して気づいたのは、「人を変えるより、自分のOSを変える方が早い」という真実でした。
これは経営にも、そのまま当てはまるのです