意向➡️再定義➡️再設定 で社員が動き出す~

はじめに:婚礼の現場で気づいたこと

私のキャリアのスタートは司会業でした。
そして20年続いた婚礼司会の現場は、想定外の連続でした。

「花束をお願いします」と言われても花がない、親御様が席にいない、手紙を読む段取りが飛んでいる…。

その瞬間、司会者が焦ったり表情が曇ると、会場全体の空気が一気に冷え、ヤジさえ飛ぶことがあります。
私は必死に対処しましたが、うまくいかない日も多くありました。

この経験から学んだのは──
「出来事そのもの」よりも「それをどう定義するか」が空気を変える ということです

経営にも通じる「定義の力」

実はこの気づきは、経営にもそのまま当てはまります。
「社員にやる気がないから困っている」と定義すれば、その瞬間に空気は冷え、対話も閉じてしまいます。
けれど「やる気を引き出す関わりがまだ見つかっていない」と再定義できれば、改善への道が開けていくのです。

この“定義の仕方”を整理するフローが、
意向➡️再定義➡️再設定 です。

① 意向(Intention)

経営の出発点は「想い」です。

売上を伸ばしたい
社員にもっと主体的に動いてほしい
お客様に選ばれる会社にしたい

この「意向」が原動力になります。
ただし、意向はそのままでは“願望”にすぎず、現場には伝わりません。

② 再定義(Redefinition)

ここで必要なのが「再定義」です。
婚礼現場で花がなかったときに「最悪のトラブル」と定義すれば進行は崩れますが、
「新しいサプライズのチャンス」と定義すれば場は盛り上がります。

経営も同じ。

×「やる気がない社員=ダメ」
○「やる気を引き出す関わりができていないだけ」


この再定義なしに、どれだけスキルを学んでも成果にはつながりません。
さらに「売上を上げたい」という抽象的な目標も、

「顧客単価を20%上げる」と具体的に再定義する必要があります。

③ 再設定(Reset & Re-set)

再定義した視点を、実際の行動に再設定します。

「数字を上げろ」➡️「今週は新規顧客に3件アプローチ」
「やる気を出せ」➡️「強みを引き出す1on1面談を行う」


経営者の社員観が変わっているからこそ、指示が“伝わる言葉”になり、社員が自然に動き出します。

まとめ

婚礼司会の現場で学んだ「定義の仕方がすべてを変える」という気づきは、経営にもそのまま通じます。

意向:経営者の想いを出発点にする
再定義:人や目標の捉え方を問い直す
再設定:実行可能な行動に置き換える


この3ステップを実践することで、社員のやる気は自然に引き出され、組織が動き出し、業績アップにつながります。

👉 次回は、実際に「再定義をどう実践するか?」を具体例とともにご紹介します。