もう過ぎたこと個人的な事ですが、実はこんな出来事がありました。
母の在宅介護が始まり、父と3人での生活がスタートした頃のことです。
母のケアに気を取られつつも、私は父の様子に小さな違和感を覚えていました。
例えば、薬を決まった量ではなく、適当に掴んで飲んでしまう姿です。
認知調査のとき、父はとてもにこやかで饒舌でした。調査員の方からも「お元気ですね」と評価されましたが、
普段の姿を知っている私は「その印象だけでは違う」と危うさ感じました。
そこで、薬の飲み方についてだけ、そっと伝えることにしました。
もちろん、父のプライドを思えば心苦しさもありました。
ですが、調査員はその場限りのお付き合い。普段の細かな行動までは分かりません。
だからこそ、家族として「違いを見分けて、率直に伝える」ことが必要だと思いました。
そして改めて思うのは──
日常生活がなんとか回っていれば「大丈夫」と見えてしまうけれど、
実際には気づけていないことがたくさんあるということ。
だからこそ、小さな違和感を見逃さない目と、必要なことを伝える勇気が、
本人を守り、家族を守ることにつながるのだと思います。
見逃さない目と、伝える勇気が守るもの
