「やりたいことはあるのに、なぜか動けない」
多くの人がこの壁にぶつかります。
その背後には、無意識の「防御規制(ディフェンス)」──つまり、自分を守るための心のブレーキが働いているのです。


🧭 防御規制とは何か──心の安全装置が生む「停滞」

人は誰しも、過去の経験から「失敗したくない」「恥をかきたくない」「拒絶されたくない」という思いを持っています。
こうした感情は、脳にとっては「危険信号」。そのため、無意識に「行動しない」という選択を取ることで、自分を守ろうとします。

これは一種の「心理的防衛反応」であり、脳の自然な働きでもあります。
しかし──この防御が強くなりすぎると、成長や変化のチャンスを自ら閉ざしてしまうのです。


💡 自分を動かす第一歩──『守る』から『開く』へ意識を切り替える

恐れ・不安・羞恥心を手放すとは、「感じないようにする」ことではありません。
むしろ、それらを“感じても動ける自分”になることです。

次の3ステップが効果的です。

  1. 気づく:何が怖くて動けないのか、感情を言語化する。
     例:「失敗したら周りにどう思われるか不安だった」
  2. 受け入れる:その感情を否定せず、「そう感じるのも当然」と認める。
  3. 行動を選ぶ:「それでもやってみたい」という意志を優先する。

防御規制を乗り越える鍵は、“恐れを消す”ことではなく、「恐れと共に一歩を踏み出す」ことにあります。


🔍 現場での具体例──ある管理職の変化

ある企業の管理職の方が、「部下に任せたいのに、つい指示してしまう」と悩んでいました。
掘り下げていくと、「任せた結果が悪かったら、自分の評価が下がるかもしれない」という「羞恥心と恐れ」が根底にありました。

しかし、彼はその感情を正直に認め、「怖いけれど、任せてみよう」と行動を選びました。
すると、部下の主体性が生まれ、チーム全体の成果が向上。
彼自身も「自分が全てを背負わなくていい」と、心の軽さを実感したのです。


🗣 経営者・リーダーへのメッセージ──自分の“防御”を知る勇気を

経営者や講師ほど、周囲の期待や評価を強く感じやすい立場です。
そのため、「完璧でいなければ」「弱みを見せられない」といった防御規制が働きやすくなります。

しかし、真のリーダーシップは「弱さを受け入れ、そこから行動を選ぶ力」にあります。
恐れや不安を感じること自体が、成長への入り口。
それを認めることが、変化の本当のスタートラインです。


🌱 まとめ──“感じても動ける”人が成長する

  • 防御規制は、過去の経験から生まれた心の安全装置
  • 恐れ・不安・羞恥心は「敵」ではなく「成長のサイン」
  • 感情を感じながらも一歩を踏み出す勇気が、行動を生む
  • 経営者自身が「自分の防御」に気づくことが、組織の変化を加速させる

✨自分を動かす力は、“恐れをなくすこと”ではなく、“恐れと共に進む覚悟”から始まります。