「社員がやる気になったのに、続かない」 「一度は変わったように見えたが、また元に戻った」 経営の現場では、そんな声をよく耳にします。
前回までの記事では、人が変わりにくい理由として「固定概念」や「脳のクセ」があることをお伝えしました。 今回は、そうした“変われない仕組み”を超えて、社員が「実践し続ける人」になるための仕組みと、経営者の関わり方についてお話しします。
気づきだけでは変われない
人が変わるには、「気づき→実行→実践し続ける」という3段階が必要です。 しかし多くの人は、「気づき」で止まり、「実行」で挫折してしまいます。
なぜなら、変化にはエネルギーが必要だからです。 そしてそのエネルギーは、個人の意志だけでは長続きしません。
だからこそ、経営者に求められるのは「継続できる仕組み」を整えることなのです。
継続を支える3つの仕組み
- 小さな成功体験を設計する 最初から大きな成果を求めると、うまくいかないときに心が折れてしまいます。 「問いかけを1日1回やってみる」「週に1回、振り返りを共有する」など、 小さな行動と成功を積み重ねることで、変化は“自分ごと”になります。
- フィードバックの文化を育てる 実行しても、うまくいかないことはあります。 そのときに「なぜできなかったのか」ではなく、「どうすれば次はやりやすくなるか」を一緒に考える。 問いかけや対話を通じて、安心して試行錯誤できる土壌をつくることが大切です。
- 失敗を受け止める安全な場をつくる 変化の途中には、必ず“揺れ”や“迷い”が生まれます。 そのときに「また戻った」と責めるのではなく、「戻ってもまた進めばいい」と受け止める。 この安心感が、実践を続ける力になります。
経営者の関わり方が、継続の鍵になる
社員に変化を求めるなら、まず経営者自身が「やり抜く姿勢」を見せること。 そして、社員の迷いや失敗に寄り添いながら、継続を支える“伴走者”になること。
変化とは、誰かが誰かを変えるものではありません。 「変わりたい」と思った人が、自分の力で変わっていくもの。 経営者は、そのプロセスを支える“土壌”を耕す存在なのです。
まとめ
- 人は「気づき」だけでは変われない
- 真の変化は「実践し続け、成果が出るまでやり抜く」ことから生まれる
- 経営者の役割は「継続を支える仕組み」と「安心して試せる場」を整えること
✨変化とは“瞬間”ではなく“積み重ね”です。 経営者自身が「やり抜く姿勢」を体現し、社員が安心して続けられる環境をつくることで、組織全体が本当に変わり始めるのです。