「思い通りにいかない」「人が動いてくれない」「状況が悪い」──そんな言葉が口をついて出るとき、私たちは知らず知らずのうちに“他責の沼”にはまり込んでいます。
けれど、本当の意味で人生を前に進める力は、「自分をどう使いこなすか」という一点にあります。
──他責は一瞬の安心、でも変化は生まれない
他責の思考は、いわば“自分のハンドルを手放す”行為です。
誰かや環境のせいにすれば、責任の重さは軽く感じるかもしれません。けれど同時に、「自分で変えられる可能性」までも手放してしまいます。
人は本来、自分の状態や感情、選択を「意識して扱う力」を持っています。
それをうまく使いこなすことができれば、外の環境に振り回されず、どんな状況でも自分のペースで前に進むことができます。
──“コントロール”したいのは他人ではなく、自分の反応
リーダーや経営者であるほど、成果や影響力を求めるあまり、「人を動かしたい」「結果を出させたい」と考えがちです。
しかし、本当にコントロールできるのは「自分の思考と行動」だけです。
人を変えようとするより、自分の“反応”を整える。
怒りや焦りを感じたとき、その感情を客観的に見つめ、次の行動を自分で選び直す。
この積み重ねが、結果として他者や組織にも良い影響を与えていきます。
たとえば、部下が期待した成果を出せなかったとき、すぐに指摘する代わりに「私は今、何をコントロールしようとしているのか?」と問いかけてみてください。
この一呼吸が、リーダーとしての成熟を大きく変えます。
──影響を求めすぎず、“自分のことを自分でする”
他人に影響を与えようとしすぎると、やがて疲弊します。
「評価されたい」「理解されたい」という思いが強くなると、他人の反応次第で自分の価値が揺らいでしまうのです。
大切なのは、「自分のことを自分でする」という姿勢。
・感情を自分で整える
・判断を自分で下す
・行動の結果を自分で受け止める
この自律の姿勢が、人としての軸を太くし、他人からの信頼を生みます。
結果的に、コントロールを手放すほど、自然に影響力は高まっていくのです。
──経営者・講師へのメッセージ
人を育てる立場にある方ほど、「自分を使いこなす力」が問われます。
他責ではなく、自分責。
「なぜ動かないのか」ではなく、「私はどう関わっているのか」。
そこに視点を置き直すことで、組織も人も穏やかに変わり始めます。
✨まとめ
- 他責は「一時の安心」だが、変化を止めてしまう
- コントロールできるのは「他人」ではなく「自分の反応」
- 影響を求めすぎず、「自分のことを自分でする」姿勢が自律を生む
🌿 自分を使いこなすとは、外の世界を変える前に、自分の内側の舵を握ること。