誰かにかける言葉が、たった一言でその人の心に深く届くことがあります。

たとえば、

「素晴らしいね」

という言葉と、

「あなたが素敵だね」

という言葉。

どちらが心に残るかといえば、私は迷わず後者を選びます。

なぜなら、「素晴らしいね」はその人の行動や結果への賛辞ですが、「あなたが素敵だね」はその人自身の存在そのものへの承認だからです。


評価と承認の違い

ここで大切なのが、「評価」と「承認」の違いです。

  • 評価は、比較の中での位置づけ。
    他人や基準と比べて、良い・悪いを決めるもの。
  • 承認は、あるがままを認めること。
    結果や行動を超えて、その人の存在そのものを肯定する行為です。

評価は、無意識に計算がにじみます。
「これができたからすごい」「あれより優れているから素晴らしい」。
そんな価値づけが、言葉の裏に見え隠れします。

一方、承認は、条件を求めません。
できても、できなくても。
成功しても、失敗しても。

「あなたはそのままで、素敵だよ」

そんな言葉は、深い安心と信頼を育みます。


信頼の始まりは「ありのままを認めること」から

人は、ありのままを受け入れられたとき、はじめて心を開きます。
そこに「信頼」が生まれる。

信頼とは、相手を操作しようとせず、ただそのままを見つめることから始まるのです。

だからこそ、
「素晴らしいね」と言う前に、
「あなたが素敵だね」と伝えてみませんか?


最後に

人は、行動で認められるよりも、存在で認められたときに、
本当に力を発揮できるようになります。

誰かを動かす前に、まずはその人を「あるがまま」で受け入れること。
そこにこそ、人間関係の土台があります。

あなたの言葉ひとつで、誰かの心の奥に静かに火を灯すことができるのです。